終了報告
第2回D-アミノ酸国際学会(The 2nd International Conference of D-Amino Acid Research, IDAR 2014) は成功裡に終了いたしました。多数の皆様にご参加いただきましたことに感謝いたします。
IDAR写真館 2014.09.10
IDAR写真館 にて記念写真等掲載しています。ダウンロードは自由です。
“Instructions for oral and poster presentations” have been uploaded. 2014.08.13
Please see them by clicking the “Scientific Program” tab.Program has been uploaded. 2014.08.10
Please see it by clicking the “Scientific Program” tab.ごあいさつ
The 2nd International Conference of D-Amino Acid Research(IDAR-2014, 第2回D-アミノ酸国際学会)を、2014年9月2日(火)〜5日(金)の4日間、栃木県総合文化センターで開催いたします。
40億年前、原始地球に誕生した生命に由来する全ての生物は原則的にL-アミノ酸から構成されていると信じられ、D-アミノ酸は非天然型アミノ酸と呼ばれた時代もあります。しかし、近年、分析機器や分析方法の飛躍的な進歩に伴って、D-アミノ酸は細菌からヒトに至るまで生物界全般に存在し、多様な生理機能を担っていることが明らかになってきました。今日、D-アミノ酸を抜きにしては、生命科学を語ることができない状況にあります。
D-アミノ酸に関する研究は世界的に行われておりますが、長い間、D-アミノ酸を研究する世界中の研究者が一堂に会して討議する場がありませんでした。そこで、D-アミノ酸に関心を持つ世界中の研究者が集まり研究の成果を発表し、討議を行うため、2009年7月に、藤井紀子京都大学教授の主催でThe 1st International Conference of D-Amino Acid Research(IDAR-2009, 第1回D-アミノ酸国際学会)が淡路夢舞台国際会議場で開催されました。この国際学会では所期の目標を上回る大勢の出席者から、数多くの研究成果が報告されるとともに、国際的交流の端緒が開かれるなど、大きな成果を挙げることができました。それ以降、D-アミノ酸の研究に飛躍的進展があり、新しい事実が次々と明らかになり、研究手法や技術も著しく進歩しました。それに伴い、D-アミノ酸の研究者数も大きく増加し、研究内容も多彩になってきました。このような状況下にあって、最新のD-アミノ酸研究を展開しつつある世界中の研究者が再び一堂に会して、研究の一層の発展を図るべく、第2回の国際学会を栃木県宇都宮市で開催する運びとなりました。
宇都宮市は餃子の街としてだけでなく、ジャズの街(サックス奏者の渡辺貞夫が産まれ育ったところです)、それからカクテルの街(全国カクテルコンテストで日本一になったバーテンダーが数名おります)としても有名です。そのため学会で疲れた心身を手軽に癒すことができます。また、観光地の日光市も至近距離ですので、学会参加者の親睦を図るため、学会2日目の午後に日光の国宝・重要文化財を巡る小旅行を計画しております。
第2回D-アミノ酸国際学会が研究発表、討議、情報交換の場だけでなく、研究者間の活発な交流の行える場となるよう努めたいと思っております。多くの研究者の方々の参加をお待ちしております。
第2回D-アミノ酸国際学会
会頭 金野 柳一
国際医療福祉大学薬学部
趣意書
40億年前、原始地球に誕生した生命に由来する全ての生物は原則的にL-アミノ酸から構成され、D-アミノ酸は非天然型アミノ酸と呼ばれた時代もあります。しかし、近年、分析機器や分析方法の飛躍的な進歩に伴って、D-アミノ酸は細菌からヒトに至るまで生物界全般に存在し、多様な生理機能を担っていることが明らかになってきました。
例えば、遊離D-セリンは哺乳類の神経系に存在し、神経伝達に中心的な役割を果たしています。陸生節足動物おいてはD-セリンと発生との密接な関係が注目を浴びています。D-アスパラギン酸は哺乳類のメラトニンの分泌抑制やテストステロン合成を促進する作用が報告されています。また、D-アラニンは哺乳類では血糖調節、水生軟体動物や甲殻類などでは浸透圧調節に関与しています。興味深いことに、扁形動物における無性生殖・有性生殖の転換にはD-トリプトファンが鍵を握っているのです。さらに、タンパク質中のD-アミノ酸に関する研究も大きく進展し、水晶体α-クリスタリンのアスパラギン酸残基の加齢に伴うラセミ化と白内障の関連や、脳内アミロイドのアスパラギン酸やセリン残基のラセミ化とアルツハイマー病との関連などが解明され、D-アミノ酸の老化や疾病における役割が注目されています。両生類の生理活性ペプチドやクモ毒にはD-アミノ酸残基が存在し、活性発現に必須の役割を果たしています。植物においてもD-アミノ酸の存在や代謝上の意義が研究されており、多くの野菜、果物などの食品中に存在するD-アミノ酸の機能、代謝や栄養面についても研究は大きく進みつつあります。幾つかの抗生物質や細菌の細胞壁におけるD-アミノ酸の存在は比較的古くから知られていますが、微生物におけるD-アミノ酸の基礎・応用両面にわたる研究は飛躍的な展開を遂げ、創薬科学や医学の領域でも新しい局面が進展しつつあります。
D-アミノ酸の研究において特筆すべきことは、この分野が主としてわが国の研究者により開拓され、現在もなお日本が国際的に主導的な立場にあることです。従来、D-アミノ酸の研究は、医学、歯学、薬学、理学、工学、農学など、それぞれ研究者の属する分野で独自に進められていました。しかし、D-アミノ酸の総合的な研究を展開する必要性が認識され、2004年10月にわが国のD-アミノ酸研究者が大同団結して、世界初のD-アミノ酸研究会が設立されました。その後、この研究会を中心に、毎年全国各地で学術講演会が開催され、活発な研究発表、情報交換や研究交流が行われてきました。さらに、研究会設立5年目にあたる2009年7月にはD-アミノ酸に関心をもつ世界中の研究者を集めて、淡路夢舞台国際会議場においてThe 1st International Conference of D-Amino Acid Research (IDAR-2009、第1回D-アミノ酸国際学会)が開催されました。この国際学会では所期の目標を上回る大勢の出席者から、数多くの研究成果が報告されるとともに、国際的交流の端緒が開かれるなど、大きな成果を挙げることができました。わが国を創始とする国際学会は珍しい存在であり、その活動は海外からも注目されました。それ以降3年の間に、D-アミノ酸の研究には飛躍的進展があり、新しい事実も次々と明らかになり、研究手法や技術も著しく進歩しました。それに伴い、D-アミノ酸の研究者も大きく増加し、研究内容は多彩になってきました。このような状況下にあって、D-アミノ酸研究会設立10年目にあたる2014年に、最新のD-アミノ酸研究を展開しつつある世界中の研究者が一堂に会して、研究の一層の発展を図るべく、第2回D-アミノ酸国際学会を開催する運びとなりました。本国際学会では研究成果の発表と討議に止まらず、国内外の研究者の交流と親睦の実を挙げて、今後の国際的共同研究や関連する科学や産業の進歩にも資することも目的としています。日本での開催は、日本の若手の研究者に国際学会で発表する機会と世界の一流の研究者と交流する機会を与え、次世代を担う優秀な人材の育成に役立つものであります。
Organizing Committee
名誉会頭 | 左右田 健次 | 京都大学名誉教授 |
会頭 | 金野 柳一 | 国際医療福祉大学 |
副会頭 | 本間 浩 | 北里大学 |
副会頭 | 藤井 紀子 | 京都大学 |
組織委員(五十音順) | ||
浅野 泰久 | 富山県立大学 | |
芦内 誠 | 高知大学 | |
阿部 宏喜 | 東京大学名誉教授/シーフード生化学研究所 | |
江崎 信芳 | 京都大学 | 老川 典夫 | 関西大学 |
木野内 忠稔 | 京都大学 | |
解良 芳夫 | 長岡技術科学大学 | |
定金 豊 | 鈴鹿医療科学大学 | |
西川 徹 | 東京医科歯科大学 | |
浜瀬 健司 | 九州大学 | |
福井 清 | 徳島大学 | |
堀池 喜八郎 | 滋賀医科大学 | |
正木 春彦 | 東京大学 | |
和田 大 | 北海道大学 | |
吉村 徹 | 名古屋大学 |
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